《磯村尚徳さんと飯塚脩先生の講演会》

 8月18日日曜日、午前の軽井沢駅での「軽井沢ペット福祉協会」恒例、啓蒙活動である「ペットを捨てさせない」趣旨のビラ配りに続いて、 午後からは今回初めての試み、獣医師・飯塚脩先生の講演会と相談会が行われた。場所は村役場近くの軽井沢公民館。
暑い夏の日曜日にも関わらず、50名を超える参加者でにぎわった。

 まず、会長である磯村尚徳さんの基調スピーチ。ペットの高齢化から、残酷なペット殺処分の実態、軽井沢からスイスのサンモリッツの エピソードまで、また日本人の「物にも魂があると考える」話など、縦横無尽に話された。外国での特派員生活も長く、名キャスターなどを歴任、 そして作家でもある磯村さんの、体験に基づくたいへん貴重なエピソードを交えた話に、皆うなづいたり笑ったりと、盛り上がった。

 会場の雰囲気ができあがったところで、飯塚脩先生のお話。飯塚先生は、東京は練馬区に本院を持つ光が丘動物病院グループの院長で、 親切な街の獣医さんとして大評判ないっぽう、高度な医療を行い、「天才!志村どうぶつ園」の監修なども手がけていらっしゃる、 優しく真摯な先生だ。
 「日本において長いあいだ、犬や猫を飼う人の割合は増え続けてきたが、リーマンショックでそれが崩れ、さらに東日本大震災でまた減少した」、 という。 テレビや雑誌で見た、飼い主を失ってさまよう東北の犬や猫たちの姿が、脳裏によぎった。軽井沢ペット福祉協会関係でも、 東北の迷える子たちは何匹かケアしたが、緊急非常事態が起きた東北はもちろん、捨て犬、捨て猫が日本全国後を絶たないのが現状である。
 先生のお話は続く。「ペットブームのかたわら、震災や不景気によるペットニーズの減少は、ペットショップやブリーダーにも大打撃を与えている」 たしかに現在、ペットどころか人間にもさまざまな危機が迫っている。しかし、だからといって、いちど飼ったペットを捨てれば、 その先にあるペットの運命は、誰もが望まぬ殺処分でしかない。たとえば、「犬は人間の五、六歳の子どもくらいの知能がある」と先生は言われる。 そうだ、おぼれた子供を助けたり、飼い主の気持ちがわかって寄り添ったり、本当に賢い犬がいっぱいいる。猫だって、見ていると、 とてもお利口だとわかる。そんな、知能が高く、感情もゆたかな生き物が、ガス室に送られ、窒息死させられるのである。あえて書く。 安楽死ではない、苦しんで殺されるのだ。
 さて、先生のお話は、現実的にもとても大事な夏のペットの飼い方など、興味深い注意が満載であった。たとえば、 「車の中への置きっぱなしはダメ。30度もあれば、5分で命が危ない」という。窓を開けていれば大丈夫と思う方も多いと思うが、 そんなに生やさしいものではない。くれぐれもお気をつけて。また、日中の散歩は、アスファルトが熱くなっているので、やはり注意が必要。 首に冷たいものを巻いたり、霧吹きで水をかけて体を冷ます、というのは、なんだか人間にも共通する方法だ。留守番をさせるときは、 エアコンをかけたり、避難できるような場所を確保。ぜいたくなのではなく、生物の特性に合わせた飼い方が必要、ということだ。
 このように、飯塚先生のお話は、具体的で実践的だった。以上が、充実した第一部のお話でした。

 続いて、みなさまお待ちかねの第二部、質問コーナーへ。じつは、私は自分がスピーカーになったり、また司会をしたりすることもあるのだが、 質問というのはたいてい二、三件。今回も、むしろ質問が少ないことを心配していた。それが大きな間違いでした。愛犬家、愛猫家のみなさまは、 それぞれ、個々の具体的な質問を、たくさんお持ちなのであった。いまは私も「飼い主」ではないのだが、みなさまのペットに対する愛情が 伝わってきて、亡くなったペットのことなどを考えてしまった。 次から次への質問に、飯塚先生、そして病院の優秀な看護師丸山一夫さんも ごいっしょに、懇切丁寧に答えて下さった。たとえば、どうやって「吠える」のをやめさせるか。この質問についても、先生方は具体的に シチュエーションをたずね、そして回答されるのだが、個体によって回答が異なってくるので、ここにはいちいち書かない。興味のある方は、 ぜひ次の機会にいらして質問してくださいね。
 こうしてたくさんの手が上がり続け、30分ほど余分にとっていた時間もたちまち過ぎ、心の中で嬉しい悲鳴をあげていた。 あっという間に3時間がたって、和気あいあいの雰囲気のうちに終了。質問ができなかった方、次回はもう少し考えますので、 ぜひまたいらしてくださいませ。お出でいただいたみなさま、ありがとうございました。そして、飯塚先生、丸山さん、 本当にありがとうございました。     (三善里沙子 )

 
 
 
 

 
 
 
 

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